ゲーム会社に入りたい!③企画向け:アナログゲームのススメ

こんにちは、シフォン副社長の末広です。

今回は①、②に引き続き、ゲーム会社を目指すにあたってやっておくといいかもしれないこと、
最終回③は主に企画向けです。

今回も前回に続き、「末広の体験に基づく、入社後(就職後)実際に役に立ったスキルの紹介」のうち、
今回は特にアナログゲームとTRPG(テーブルトークRPG)を使った遊びの拡張・アレンジの話をします。

この記事は誰向け?

・今回は特に企画志望の方や、自分で企画要素まで見れるようになりたい方を対象とします
・内容は本当に何もやったことがない初心者から、少しゲームのルールにこだわりが
 出てきたくらいの方を対象としています。

※すでにご自身でゲームシステムやメカニクスを作ったり、この言葉をご自身の言葉で
 説明できる方には物足らないと思いますが、ご了承ください。

目次
なぜアナログゲームなのか
①PCなどの初期投資や、ソフトのインストールがいらない
②ルールの拡張やアレンジがデジタルのゲームに比べて圧倒的に簡単
③すぐ試せて、すぐ直せる
アレンジ・拡張のときの注意点

アナログゲームから自作アナログゲーム
最後にTRPGへ


なぜアナログゲームなのか

初期投資が圧倒的に少ないからです。
ルールのアレンジや拡張の勉強をするのに、デジタルゲームだとアレンジする前の
データを作らないといけないのですが、まあそもそもそれが難しいですよね。
いきなりPC環境をバチバチに整え、実際にゲームエンジンに行くまでにもう少し手前でできそうな
例として今回はアナログゲームとTRPGを出していきます。

ここでいうアナログゲームはゲームマーケットなどに売っている作家さんのものではなく、
すごろく、トランプ、麻雀や人生ゲームなど割と昔から売ってるシンプルな
(麻雀とかだとそうでもないかもしれませんが)ゲームをベースに、拡張やアレンジを
遊びながら試してみよう
ね、という話です。

①PCなどの初期投資や、ソフトのインストールがいらない

ルールを遊ぶ人たちが把握するという見えない手間はありますが、
対象はトランプでも麻雀でも将棋でも、じゃんけんでも、
しりとりでも何でも大丈夫です。

「その場で」「なるべく簡単に」試すことを繰り返していくと
最終的にもっと複雑なルールを扱えるようになる訓練ができます。

②ルールの拡張やアレンジがデジタルのゲームに比べて圧倒的に簡単

アナログゲームやテーブルトークRPGのいいところは、友達や家族、
時には知らない人と会話しながら進めていくものですが、その場の参加者の
合意さえあればルールの拡張や改変が比較的すぐできるメリットがあります。

例)
・トランプのババ抜きをする際、ジョーカー以外の札を抜くのをジジ抜きといいますが、
 これ自体もルールのアレンジです。

・トランプの大富豪はローカルルール(各プレイヤー間の個別のルール)がたくさんあります。
 8切り(8を出したら強制的に場が流れる)、
 しばり(続けて同じマークのカードを出してはいけない)、など。
 大富豪はこういうルールのアレンジがたくさんあります。

・じゃんけんで3回連続で負けたらシッペを食らう

・将棋で強いほうが最初から少ない駒で戦う駒落ち戦
(飛車香落ち、六枚落ちなどいろんなバリエーションがある)

などなど、ここに挙げた拡張やアレンジはメジャーなものばかりですが、
こんな要素を中心に調整しているものがほとんどです。

【アナログゲームのアレンジ・拡張例】
「回数・時間制限する」
「手札や要素を減らす/増やす」
「何かの順番の変更」
「ある要素を見える/または見えないようにする」
「ご褒美またはペナルティを入れる」
「合の手を入れる(嘘をついたと思ったらダウトって言う、麻雀でリーチする、など)」
「どの要素をやるにしても、1回のプレイで変更するのは1~2点までにする
(いっぱい同時に変更すると、何が原因で良く/悪くなっているかわからなくなる)」

突然大人向けの紹介になりますが、有名なギャンブル漫画のアカギ(著:福本伸行氏)に出てくる
鷲巣麻雀はこれらの要素でいうと「ある要素をみえる」ようにしています。
鷲巣麻雀牌は一部ガラスでできているので、

お互いの手札が見える部分がある=相手の役がある程度まで予想できる

これでより心理戦が発生しやすくなります。

また、ペナルティとして、お金をかける代わりにお互いの血液を賭けて致死量ギリギリのデスマッチを繰り返し、
アカギの作中でもこの血液賭博が異常な盛り上がりを見せていくわけです。
興味がある方はぜひマンガを買って読んでみてください。

※現実世界ではこんな過激なことはしないでくださいね。

常識の範囲で遊べないことで一緒に遊んでくれる友達がいなくなります。

やんわりと枠内の要素を「1位の人には1番にケーキを選んでもらおうね」とか
「手札を配るときに目隠ししてお互いのカードを半分ずつ交換しよう」みたいに
小さな要素、ほんのちょっとのところから試してみて、自分たちの中で何が
一番ウケるかやってみることから始めましょう。

③すぐ試せて、すぐ直せる

一般的にアナログゲームやTRPGだとその場で試してみてダメだったら、
少なくとも次のプレイからすぐ直せます。

例)
1位の人にはケーキを1つ自由に選ばせよう→おい!あの野郎ホールで持っていきやがった!!
  →協議の上指定個所のイチゴのデコレーションを含む部位を渡して、ホールはみんなで共有することで手打ちにする

こういうルールの微調整がシステム化され、機械が処理しているわけではないので、
その場で融通を利かせることができます。
今回の場合「ケーキ1個」というものに対しての定義がちゃんとされていなかったので
これ自体はルールの不備だとは思いますが、ゲームを遊ぶときプレイヤーは常にルールの
余白を想像しながら遊んできます。

(「ホールケーキ」は切り分ける前は「1ホール/1個」ですものね。)

企画を仕事にするなら厳密に判定条件を想定しておこうね、とは思いますが、
学生さんが家で友達と遊んで試すくらいの時や家族で遊ぶときは、
最初からそんなに細かいこと思いつかなくてもいいと思います。
なにせ、後からすぐ話し合って直せるんですから!

ひとまずラフに遊んで、話し合ってルールを決めていくのも
遊びの一つの形だといえるでしょう。

アレンジ・拡張のときの注意点

末広自身は割といい加減なほうなのでアナログゲームは飲みながら遊べるくらいのもの、
ノリがよく処理できればいいんじゃない!とラフに処理できるゲームを好む傾向にありますが、
人によって戦略性を重視したゲームをしたい人だと、

「途中でルールを自由にガチャガチャ変えられる」=「自分が積み上げてきた戦略や計画を無駄にされる」

という状態が発生します。

現実世界のカードゲームの大会等でも、特定のカードのスキルや戦力が偏りすぎると
大会運用ルール上、当該カードを利用禁止にしたりというケースもあります。
カードゲームやっている方だったりするとそれに憤慨したことがある方もいるかもしれません。

そうならないのがベストではあるんですが、起きるときには起きます。
なのでできるだけ

・全員に同時に情報を提示し
・なるべく全員の同意を得て変更する

・いじるならできるだけシンプルに

ということを守るようにしてやってみましょう。

一緒に遊ぶ上では「自分の判断が正しいからそうするんだ」ではなくて、
「その場で一番多くの人が(無理しすぎず)楽しめるようになっている」ことが
ルールのアレンジや拡張遊びをする時には大事なことです。

チェスや将棋など、ゲームによっては戦略性や競技性が高いものだと
「みんながたのしむ」よりも「勝負においてどうか、勝敗をはっきりつける」
ことを大事にしたほうが面白くなる場合もありますが、ゲームの性質を
見ながら、アレンジする箇所を参加者と相談しつつ進めていただけると、
フェアな状態で楽しんでいけるかと思います。

ルール・要素の変更はシンプルにね!


アナログゲームから自作アナログゲーム

さて、長くアナログゲームのルールのアレンジにまつわるお話をしてきましたが、
既存のアナログゲームのアレンジや拡張に慣れてきたら、特にアナログゲーム作りに
「こうでないといけない」というルールがあるものではないので、紙と鉛筆や、
100均などの資材を駆使してオリジナルのアナログゲームを自分で作ってみる、
というのにチャレンジしてみてもいいと思います。

最初はどこかにあるゲームに似た感じのものができてしまったりもすると思いますが、
例えばチェキで家中の白物家電を撮影して適当に戦闘力を付けてカードバトルにするもよし、
家や公園(車には気を付けて!)そのものをゲームの場として見立てて宝探しをしたり、
デジタルじゃない奴は大体アナログゲームと呼んでいいかと思いますので、
いろんなことを試してみてください。

中には1人で遊べるものもあると思いますが、前項までで話していた通り、
毎回でなくてもいいので、人と一緒に遊ぶタイプのゲームも時々試してみてください。
なぜかというと、仕事としてゲームを人に提供するとなったときには、
プレイヤーは自分だけ、ではないのです。

なので、「自分ではソロプレイで最高に楽しい」遊びかもしれませんが、
隣のA君やB君、C君、隣のクラスのEちゃんやF君が何と思うかも大事です。
10人くらいいたらそのうち少なくとも半分くらいの人がやってもいいかも、と
思ってもらえる遊びになってるかな、というのを気にしてみるためにも
友達や家族と遊んでリアルな反応をもらうのは大事です。

最後にTRPGへ

TRPG(テーブルトークRPG)とは、サイコロなどを使って判定の数字を
確認しつつ、プレイヤーと会話しながら進めるアナログタイプのRPGです。

デジタルゲームと全く同じとは言えませんが、デジタルゲームが
ソフトやゲーム機側で処理しているスキル発動したときのダメージがどうなるか、
とかランダムに敵がエンカウントした時にどうなるか、などの大半の処理を
ゲームマスターという進行役がやる必要があります。

簡単に言うと、どのTRPGのゲームを使うか次第ですが、TRPGの進行役(ゲームマスター)を
何度かやるとプレイヤーを遊ばせるのにやっておいたほうがいいことや、
しないほうがいいことというルール的なお作法と一緒に、

「敵ってこういう強化の仕方しちゃうとプレイヤーが死ぬんだ」とか
「ダンジョンはこういう構造にしないとすぐ見抜かれてつまんなくなっちゃうんだ」とか
マップの配置や敵やスキルなどのパラメーターをどうしたらいいか、


こういったデジタルゲームを作る上でも考えないといけない要素も
ある程度アタリがつくようになります。
このへんを進行役のゲームマスターと呼ばれる役割の方が制御するんですが、
本当になれるまでまあまあ大変です。

できれば企画を目指す方はパソコンでゲームエンジンを使った制作を試すのも
楽しいと思いますが、ぜひ一度TRPGで実際にプレイヤーと直接組み合うことの
難しさと楽しさを知ってもらえたらと思います。

さて、長くなってしまったので個別の「この場合の時はここをいじるといいよ!」みたいな
細かいテクニックの話もないわけではないのですが、そういう話は2022年くらいから
たぶんマイナビの会社説明会のセミナー枠を使ってちょっとずつやっていくかもしれません。
(きっと他職もなんかします。)



次回更新はいつもの柔らかめのネタに戻りますが、また続きをどこかで何かの形で
お話しすることもあると思うので、その際はまたお会いしましょう!