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企画書のクオリティアップ方法③企業側の視点

こんにちは、株式会社シフォン副社長の末広です。
今回は企画書のクオリティアップ方法の話の続きです。これで記事完結します。過去記事未読の方は前回の

企画書のクオリティアップ方法①サンプル比較 
企画書のクオリティアップ方法②修正ポイント 

こちらの2記事を記事をご覧いただくとよりわかりやすいのでおすすめです。
が、本記事内では手っ取り早く企業側の担当が主にどんなところを見ているかという点に
特化して書いていますので、この記事から読んで過去記事にさかのぼっても大丈夫です。(一応全部読んでほしいですね!)

いつものやつ、置いておきます。恒例の注意書きです。

🐤 🐤 🐤 諸注意 🐤 🐤 🐤

・採用の際の判断ポイントは株式会社シフォンの場合の基準です。
他社様の選考をお受けになる際には、他社様の選考条件や応募規定をよく確認の上、チャレンジしてみてください。

・企画書のクオリティアップの「お作法」といっても、これが唯一の方法ではなくいろんなやり方があります。
 ご自身に合わなければ、ほかの方の紹介している記事も読んで比較したりして良いところ取りをしてみてください。

・過去記事リンク内のサンプルに出した企画書はあくまでも分かりやすさを前提としたサンプルです。
応募を目指してくださる場合はここから各自応募作品に工夫を施してみてください。

【CM】
長い文章を読むのが苦手という人は弊社でやっているYoutubeチャンネルの動画をご覧ください。
本記事は動画にはなっていませんが、ゲームドライブ就活ちゃんねるに企画よりのテーマや
作品選考周りの話題の動画もそろえつつあります。

ゲームドライブ就活ちゃんねる 企画志望の方向けリンク

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■選考ラインにのる企画書


ざっくり前回修正前の企画書と修正中・修正後の企画書と3つお見せしましたが、
2つ目と3つ目は分かるとして、1つ目と3つ目が同じ企画内容とは思えない感じの進化をしていました。

ただし、お仕事においては企画書を書くことがだけが大事なことではありません。
本当はここから具体的な仕様書にして他職の人たちと一緒にゲームの実装作業をしてデータを作っていくことが優先です。あるいは、もっと泥臭いところで他の職業の人と何がベストな作り方か相談していたり、何か技術課題やサービス課題(そのままではできないこ)があったときにあーだこーだしている時間のほうが長いかもしれません。
この辺りは細かく書くと予算や期間の相談や交渉してたり、やってもらいたいメンバーの手を開けてもらうようにお願いしたりとか、技術課題の時も社内で解決しなさそうなら、自分でも相談先がないか調べたりとか、そういう、「企画」そのものではないですが本当にゲームに作るために必要なことをいろいろしています。
この辺りは企画書に入らない内容ですし、それだけで1記事以上になってしまうので、いったんおいて先に進めます。

じゃあ実際その能力を使わないなら、選考で企画書なんて見ても意味ないんじゃないの? 好みの企画だけ見てるんじゃないの? と思うかもしれませんが、シフォンの場合はこういう観点で企画書を見ています。

①自分の考えをまとめ、資料にして人に客観的に伝える能力があるかどうか
前回の1個目の企画書くらいの水準のものを書いた時点で、「自分の言いたいことは伝わったぜ」と思っている方もいると思うのですが、客観的にご覧いただくと解説にある通り、全然遊び方が分からないです。
雰囲気だけは伝わるかもしれませんが、プログラマーさんやデザイナーさんに遊びを想像させ、一緒に取り組もうとか意見を出し合っていいものにしよう! と呼びかけたところで、直球を投げる子が相手であれば「うん、それでこれで何がしたいの?」といわれてしまいます。
(きついように見えるかもしれませんが、相手は相手で真摯に誠実に作ろうとすると企画者の意図がどこにあるのかとか、とても気になりますよね。)
実際は仕様書を使ってやり取りしますが、2つ目~3つ目に近づけるくらいまで掘り下げられないと仕様を組むのが大変だろうな、という感じの感触になります。

②遊びを把握し、ルールとして組み立てる力
これがどれだけできるかで、既存のゲームに対してどの程度分析できるかある程度想像がつきます。
新規開発のチームでは組み立て力が大事ですが、同時にソーシャルゲームの運営にかかわったりする受託チームや新規チームでも調査フェーズの時には他社のベンチマークタイトルと比べて自分たちの担当タイトルの商品や市場での優位性を測ったりもします。
やるレベル次第ですが一般的には組み立てるより分析のほうがまだ易しいので、すごく華やかじゃなかったとしても、遊びが破綻しないように組み立てできる力があれば、シフォンにあるどの仕事に回ってもひとまず大丈夫だろう、という判断です。

そして、実はゲームの遊び方(ルール)部分を練るのには企画書は不向きです。
ゲームのコアのシステム部分だけでいいので、できれば一度別の紙に仕様を書き出してみて、仕様書にしてからその一番アツい部分だけをすくい出して企画書に入れるのが個人的にはおすすめです。

一番コアの部分を見せて!

仕様をまとめる際の取り組み例)
●バトルが楽しいゲームなら、バトルの
「勝利・敗北までの一連のやり取り手順をフローチャートにしてみる」
「その時のダメージ判定」
「勝利後にどう成長するか」
「アイテムや武器などの装備品による違い・属性による強弱があれば相関図にして書き出してみる」

これらをできるだけ細かく(処理はできればフローチャートで)書き出し、可能なら表や図式化する。ここから一番「遊びの映える」内容をすくって企画書へ

※入社前の時点ではフローチャートに完璧さをもとめてはいません。
この段階では、あくまで考えや処理を整理するためのものです。

●パズルならパズルの

「一連の操作手順をフローチャートにしてみる」
「マッチングの各条件の書き出し」
「アイテムなどの特殊効果と発生状況のパターン出し」
「勝利後に次にゲームがどう展開するか」

これらをできるだけ細かく ( 処理はできればフローチャートで) 書き出し、可能なら表や図式化する

……などなど、細かい判定や条件を書き出してみましょう。

この辺りは、末広自身が子供のころ、30年前くらいはまだWikiがなかったので攻略本にフローチャートやデータが表になって掲載されていたりしたものをよく見てたわけですが、若い方だと各ゲームのwikiだなのでデータベースを見たり、バトルの計算式などくらいは見たことがあるかもしれません。

応募段階ではこれらの仕様のまとめ方は特にシフォンでは「こうでなくてはいけない」という指定はありませんので、一回書き出すことでできる限りいろんな方向性からその企画を見つめなおし、「これなら遊びとしてちゃんと成立するぞ」と自信が持てるようにまとめてみましょう。

その上で、「一番そのゲームの面白さが伝わる部分」を抜き出して、企画書に盛り込みましょう。ここまでやっていると遊びがかなり具体的になっているはずです。

※ここまで持って行くことができなかった場合は、別の案を練ってみましょう。
 100個アイデアがあって100個全部うまく行くってことはありません。どんどん次へいくのです。

③プレイヤーや様々なものに対する配慮
ここまで一切面白さのことを書いてないので、「他社は結構企画のコンセプトの面白さを語れみたいな切り口があったりするけど、シフォンは面白さ二の次なのか?」と思っている方もいるかもしれませんが、面白さはプレイヤーに対する最大そして最重要の配慮です。

お客様(プレイヤー)は基本わざわざお金なり時間なりを消費して遊びに来てくれるので、そこで面白くないとなってしまうと、「もういいや」となるわけです。

他にも主な配慮ポイントはこういうものを見ています。

・ルール全体に不備がなく、分かりやすいかどうか
企画書以外にアナログゲームや、勝敗があるタイプのゲームなら、必勝パターンを発見されてしまうところまでは、まあある程度しょうがないとして、勝敗が確定する最後の瞬間まで遊ぶ人がワクワクできるような逆転要素があるといいですね。

・プレイヤーまたはそのゲームを作る際の開発側も含めて参加する立場によっては理不尽な状態が強いられてしまうもの・理不尽すぎる意地悪なルール。また、遊ぶ人への束縛がきつすぎるものはNGです。

例えば、以下のような例です。

例)24時間不眠不休、10名体制でやるようなゲーム
1~2名でやっているならしんどいにせよ、遊ぶその人の自由だと思いますが10名拘束するとなるとゲームを遊んでいる間の行動の制限がすごいですね。
または、これが仮に4時間等だったとしてもトイレや休憩の自由がない状態での4時間はかなり物理的時間的な束縛がきついといえます。「そんな長時間にしないぞ」と思った方もいると思いますが、「たとえ30分でも一度開始したらバトルは何があっても中断できない」(デスゲームでありそうですね)だとしんどいと思いますので、しんどい時間を縛るなら大きな報酬が返ってくる、条件付きだけど中断や途中合流をある程度許容するなど、ゲームの性質に応じた調節が必要です。ここがシビアであればあるほど遊ぶ人が限られる傾向にあります。

例)
●勝敗判定がはっきりあるタイプのゲームで、企画者が特定の軍勢や役職に対して強い思い入れがあるのか、軍勢・役職を選んだ時点でそのあとの結果が決まってしまうようなゲーム設計になっている。
これは2回目以降遊ぼうとしたときに、基本的にはみんな勝ちたいので強軍勢以外のほかの軍勢や役職に就く人がいなくなったりすると思うので、遊ぶ人がいなくなっちゃいますね……。

この実際にそのままの内容ではありませんが、学生さんのチーム開発を拝見したり、他の方の企画書やプレゼンを見た際に類似の状況が発生していたことを丸めてご紹介しています。

・全年齢の会社には、全年齢の企画書を送りましょう。
18禁や百合・BLやその他アダルト作品など特定のジャンルに寄った作品作りを続けてる会社の場合は、そのジャンルにあった企画書や作品を用意しましょう。版権を扱うところだと、全年齢の作品でそういうことはできないので注意が必要です。
基本的に全年齢の会社にアダルト描写アリの百合企画を当てたりはしないほうがいいです。

・その他、倫理に関する問題への視点
前項にも一部かかわりますが、いわゆる、エロ・グロ・暴力・宗教・政治・他者の版権に違反するものが代表ですが、他にも障がいを扱うもの、肉体の欠損表現や適齢期以外の異性同士以外の恋愛などは基本的に取り扱いが難しく、センシティブなものなので、「面白そうだ」とか「異端ぽいところがかっこいい」でファッション感覚で取り上げるものではありません。

※BLや百合、オメガバースと呼ばれるジャンルもあることは存じており、それ自体を否定するものではないです。

もちろん、世の中にはこれらタブーとされるものを真摯に描いたり、まじめなだけではなくギャグや日常テイストの作品でもエンタテイメントとして昇華しているものもあるので、「絶対にダメ」ではありません。ただし、よく調べずに扱っているようなものだと選考する側が不快に思う可能性もありますし、扱いが難しいので選考の時の企画の内容を、全年齢のテーマに置き換えて成立するならそのまま全年齢で練り上げたほうが個人的には無難だと考えます。

もちろん、気にしない会社もあると思いますし、素材の味で圧しているわけではなく企画としての出来で勝負できる、ということであればチャレンジしてみてもいいとは思います。

以上、企業側の選考上の着眼点、昨年出した選考ポイントより、より詳細に選考している側の視点で記載してみました。

今回末広としてはかなり正直に書いていますが、念のため最後に弊社なりの採用の注意点を申し添えておきます。
本記事内の判断基準に関しては、弊社の視点をできるだけ正直に誠実に書いていますが、シフォンを受ける際もこれだけで合否が確定するものではありません。

・内容や扱う企画内容によってはこれ以外の視点から見て「他はまだ粗削りだけど、内容は魅力十分」として選考が進む場合もあります。

・逆に「すべての条件を満たしているが、定員になってしまった、または会社の他のメンバーとの親和性や、会社の理念から外れているケースなどは採用を見送らざるを得ない」場合もあります。

企画書の着眼点分解についてはこれでひと段落なので、また何かご質問などがあれば@c4onjp のTwitterからお知らせください。

では、また次に何かの記事でお会いしましょう。

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